2013.03.15 Friday 23:12

プッシュ型よりプル型の仕事を!

最近のクレーム事例から〜

私の後輩の若い職員が、運悪くクレーム案件に遭ってしまい、目下のところ、苦情の標的として言われ、正式に「市民の意見」投書されてしまいました。

この苦情の投書に対しては、回答を市長名の文書で1週間以内に出さなければなりません(といっても、本当に市長が書くわけでなく、担当課が市長の名で書くのです)。

その標的の若い職員は、若いながら、とてもしっかりしており、平静さを保って上司に説明をしています。

課によっては、庶務担当(文書や伝票などの事務の担当)が回答案を作成したり、あるいはヒラ職員で負担が大きい場合は、係長などの上司が作成したりするところもあります。

ところが、今回のケースでは、その若い職員がしっかりしているためか、上司(課長)は、その職員に対し、回答について「よく考えて練って書いて」などと、無責任な指示を出しました。

指示された若手職員は、とてもしっかりしているので、表面上は平静を保ってますが、しかし内心は消耗しているはずです。なぜそう思うかって?私自身もこれまで何度もクレームの標的となり、消耗してきた体験があるからです。

そこで、「回答文書私が作るよ」と打診したところ、「本当ですか?ありがとうございます。#さんが神に見えます」と、思ったとおり、その若い職員は、自分の負担を肩代わりしてくれる申し出に、素直に歓迎して受け入れてくれました。

 
このエピソードは、別に私が自慢したいがためではありませんで、みんながイヤがる苦情処理の仕事を、上司や先輩が、立場の弱い若手職員に「押し付ける」(プッシュ)という仕事のスタンスではなく、自分が「引き受ける」(プル)、という姿勢が、とても重要だと思うからです。

プッシュ型の仕事の姿勢は、「○○さんお願いします」「いや、△△さんこそやってください」とか、「ウチの課の仕事ではなく、○○課でやってください」と互いに押し付け合いがちになり、仕事以外の、仕事とは関係ないところにムダな時間とエネルギーを消費します。また、「ウチではありません」の姿勢は、「あっちの課です」と「たらい回し」を生じさせやすくもなり、それこそクレームのもとです。それこそ「お役所仕事」です。

でも、こういう「プッシュ」型の仕事スタンスが、役所のいたるところにはびこっているのを感じます。若いうちはしっかりしている職員も、そういう環境の中で日々の仕事をしているうちに、だんだんそういう「プッシュ」型のスタンスになっていくのを、感じることがよくあります。

私が今回意図したのは、もちろんこの運悪く標的となった若手職員をフォローするということもありますが、一時的に負担が軽くなったところで「ああ、#さんがやってくれることになってよかった」とホッとしたところで、次に「でも、実際この市民と直接やりとりしたのは自分だから、私が回答案を作った方が、よりよいものができるのでは?」と思える余裕ができ、さらには「事情をあまり知らない#さんに回答を作ってもらうのはもどかしい。やっぱり私が書きたい」という気持ちが生まれ、「#さん、その仕事やっぱり私に返してください」「いや、いいよ。」という、いわば仕事の「引っ張り合い」にまでなれば理想だと考えています。

こういうささやかな個人レベルの「反抗」ですが、役所全体の「プッシュ」型の潮流に、少しでも掉させるものと確信しています。(結局「自慢」になってますか?)

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2012.12.28 Friday 22:14

接客と接遇

接客と接遇


お客の対応という点で言えば、民間での接客の場合、商品やサービスに満足してもらって、お金を出してもらわなければなりませんが、役所の接遇は、満足されようがされまいが、税収に関係ないので、役所の方が「お気楽」な仕事に思われます。


実際の市民対応の場面でも、二言目には「民間では考えられない」とか言われます。(まあ、安易にそういうようなことを言う人に限って、自分は民間企業の厳しい環境でやってきたわけではない人なのですが)


確かに、民間での商売の場合、ひいきにしてお金を払ってくれる顧客を増やしていかなければならない厳しさが当然あるわけですが、一方で、あまねく全ての人を顧客にするわけではなく、はなから商売のターゲットにならない人は、極端な話、相手にしなくてもよいわけです。金払いのいい上客を大事にし、買ってくれる人を相手にしていればいいのです(当然、買ってくれる人を増やす努力は常に必要ですが)。


ところが、役所の場合、確かにサービスに満足しようが満足しまいが、税金は強制的に徴収されるのですが、逆に払ってくれる税金の額にかかわらず(払っていない人でも)、同等に「お客」として対応しなければならないのです。

この点は、私が市役所に入ってすぐのころに、その当時の上司に言われ、その時はピンと来なかったのですが、今はよくわかります。


例えば、何でもないことに、「こんな対応民間ではありえない」とかいう人が、じゃあもう役所なんか見向きもしないかというと、しばらくしてから、また窓口にやって来て同じこと言うんです。つまり、役所しか相手にしてくれるところがないのです。そういう人でも相手にしなければならないのが役所です。

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2012.12.20 Thursday 22:39

税金のムダ遣いはなくならない

税金のムダ遣いはなくならない


今日のニュースに「10円の賽銭ドロに懲役1年の実刑判決」というのがありました。


たかが10円だろうと、窃盗罪には変わりない、ということにはある程度納得もできますが、それでも、「たかが10円のドロを裁くために、裁判にいくらコストがかかっているんだろう」と思わずにはいられません。


似たようなことがジレンマが、私の勤めていた役所でもあります。


市民から役所に返送してもらう郵便物で、料金受取人払いのもの(郵便物が届いた役所側が郵便料を負担するというもの)があります。ある月、市役所に返送されたのがたったの1件で、それが何か月もあとに、年度をまたいで郵便料金が請求されてきました。


請求が数か月も遅くなった理由を郵便局に追及すると、「郵便局の料金システムで、月に1件しかない場合は、事務簡素化のために、まとめて複数件集まった月に請求する」という仕組みとのこと。一方、市役所のきまりでは、予算は年度をまたいで執行できません。


会計部門からは、何とか新年度発生のものであるように、郵便局に請求書類を改めてもらえ、との指示でしたが、そもそも年度をまたがないような正しい予算執行のテイにするために、郵便局に書類を虚偽の内容に改ざんさせようというのですから、本末転倒な話です。郵便局側も「できません」と応じません。


互いのきまり、システムだから譲れない、ということで、たかだか95円の郵便料金のことで、時間あたり労務コスト1,000円以上の人間が頭を悩ませながら、策を検討しました。


その結果、考え出された対応策が、1件ではなく複数の件数にして当月に請求してもらえるよう、カラの封筒を料金受取人払いで役所に郵送しよう、という案でした。


当年度内予算執行、という手続きに徹するために、必要ないカラの郵便物で余計な郵便料支出(もちろん税金)を出そうという、本末転倒なハナシでした。


役所ではこういう、きまりやシステムを守るために、余計なコストや労力を消費するという、本末転倒がよく生じます。それを「本末転倒」と感じられなくなったらおしまいだと思って

います。
 


2012.12.18 Tuesday 22:20

景気良くなる?!

景気良くなる?!


自民党の大勝利で円安、株高ということで、日経平均も10,000円に届こうとしています。


これは、自民党の経済政策を期待して、さっそく景気がよくなっているってことなんでしょうか?


・・・ニッポンの経済談義なんて、私が書くのもおこがましく、また市役所試験対策からは少し離れますが、時事問題へのアプローチの一例として、ご参考まで。


私は、この文脈での円安・株高はあまり楽観視していません。


円安・株高ともに、日本円の現金、ぶっちゃけ諭吉さんのお札の価値が落ちるということです。


「輪転機を回し続けてお札を刷りまくる」。今度総理大臣になる方は、こんなようなことを言ったとか、言わなかったとか。


こんなふうに大量生産されて誰でも財布いっぱいに持てるようになった「紙きれ」お札には、みんな価値を感じなくなり、今までは1万円で売ってもいいと思っていたモノでも、2万円、3万円でも譲りたくなくなる。つまり、お金の価値が2分の1、3分の1と目減りしていきます。


となると、これまで一生懸命働いて毎月貯めてきた貯蓄(例えば100万円)が、実際は50万円の価値、さらには30万円の価値、とどんどん目減りしていく(つまり安いモノしか買えなくなる)ことになります。


現金で持っていたり銀行に貯金をしていたりすると、こうした価値の目減りをくらってしまいます。国債を買った場合も同じ目に遭います(100万円分の国債を買って、仮に10年後に利息10%ついて110万円になっても、お金の価値がそれ以上に目減りしたら、かえって損してます。逆に政府や地方自治体の立場からすれば、返還しなければならない国債や地方債の残高の価値が目減りするのは、実質的な借金棒引きなので、それが狙いのアクダマンなのかと勘ぐってしまいます)。


すると、蓄えの価値の目減りから逃れるには、どうすればいいでしょう。現金や債券以外の形で保有すればいいのです。


というわけで、株に換えておこう、外貨に換えておこう、ということで株高、外貨高(=円安)になっているともいえます。


株価が上がるのは、インフレ対策で資金が逃避したせいではないか、ということです。


同様に、円安も、円の外貨への逃避ともとれます。これまで続いた「円高」はさんざんな悪者扱いですが、では「円安」は大歓迎でしょうか?


確かに、輸出で稼ぐニッポンにとって、円が高くなると外国に売れなくなるので、特に輸出産業にとって円高は悪者の最たるものかもしれません。


円安になれば、輸出産業は有利になりますが、消費者一般の立場からすれば、インフレと合わせ、円安も物価高の要因となります。


円高(=外貨安)で、相対的に外国製品が安く仕入れられたので、販売価格も安く買えたのに、円安(=外貨高)になると、実質的に値上がりです。


・・・と、悲観的なことばかりが気になる私ですが、官僚(=国家公務員)の皆様に、極端な政策はほどほどにされることを期待します。

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2012.11.29 Thursday 21:02

成功せよ。

前回「失敗せよ」と言っておきながら、今回は一見、真逆なことを言います。


「市政を良くする」。


言うはたやすいことですが、いったい誰が良くするのでしょうか?


それは市長でも市議会議員でも課長でもなく、あなた自身です。


とはいえ、役所に入り立てで一番下っ端の自分に何ができようか。確かに、いきなり「市役所を変える」とか「新規事業立ち上げ」とかはムリそうに思えます。


ですから、自分に与えられた身近な仕事から改善を積み重ねることです。例えば、「自分の担当業務に関しては県内でトップにする」といった目標がいいです。


それでも、自分の担当業務でも、思うように予算がつかないので隣の市みたいな充実した制度ができない、などといった、自分だけではどうにもできないこともあります。


であれば、例えば自分の担当業務に関して説明する市役所ホームページは、県内で最も情報が充実した内容に作りこむ、といった目標でもいいでしょう。これは、私が新米のころに実際に考えてやってみたことです(実際に、ある市議から他課と比べて一番充実している、と言われました)。


以上は一例ですが、日々の業務で、ごくささいなレベルでも常に改善を図るべきです。例えば、入力作業の手間を省力化すべく、エクセルに関数を組んだり、差し込み印刷にしてみたり(これにはITリテラシーがある程度必要ですが)。


小さな改善の積み重ね、そういう習慣、経験の積み重ねが、大きな改善、ひいては「市政を良くする」という大仕事の礎になるのです。

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2012.11.28 Wednesday 21:50

失敗せよ。

面接試験において、失敗を恐れて守りの姿勢で臨むより、攻めの姿勢で差をつけようと申しております。


これは、実際の仕事の場面においても言えることであり、失敗を恐れて守りの仕事をするな、ということになります。


一つには、失敗から学び、経験を積むためであります。


そして、さらに踏み込んで、今回は「あえて失敗せよ」と言います。


「いくらなんでも言い過ぎだ」


そうです。公務員ですから、失敗しないよう最善の注意を尽くすべきです。


今回申しますのは、日常の仕事で、何も考えずこなしてしまうようなことにも、「失敗」(反省)を見出せ、というものです。


例えば、日常的な市民との窓口対応や電話対応で、ともすると忘れ去ってしまいそうなところから、意図的に「失敗」すなわち「反省点」を見出そうということです。


市民から文句を言われれば反省する、というのではなく、たとえ何事もないやりとりであっても、自分のとった判断、説明の仕方、その他の振る舞いが本当にベストであったか?何も言わなかっただけで、本当はその市民の方は、不満の気持ちで帰ったのではないか?


そういう不断の反省、改善の積み重ねで、自分の仕事のスキルそして職場の業務全体の向上を図りましょう。


「そんな毎日の一挙手一投足気にしていたら、気が狂いそうになる」


わかります。でも、自分を責める反省ではなく、今後よりよい業務にするための反省です。「次回同様のことがあったら、こうしてみよう」という前向きな反省です。


逆に、自分ではベストを尽くして対応したのに、相手が攻撃的に責めてきたようなときは、その場は反省などせず、数日後に気持ちが落ち着いたら、「あの時、もっとこうしておけば良かったのだろうか」と考えればいいでしょう。

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2012.11.26 Monday 21:35

民法のテキストは捨てないで!

民法のテキストは捨てないで!


市役所での仕事、特に事務職の場合、法律系の考え方が常に必要になります。


「判断推理」やら「数的推理」なんてはっきり言って行政の仕事で役に立ちませんが、法律系科目は仕事に直結します。


例えば民法のテキストで一番最初はだいたい「行為能力」で、「成年後見」とかのはずです。「こんなの、公務員の仕事と何の関係があるの?」と思っていました。


これがあるんです。


市民課の窓口に「○山○男の成年後見人ですが、○山○男の転出の手続に来ました」といって、「登記事項証明書」をもってやってくるんです。


本人の代わりに手続に来る場合、本人の委任状が必要になるんですが、「成年後見人はいらないんだっけ?」「そもそも成年被後見人が書いた委任状は効力あるの?」と、具体的な場面で考えさせられます。


これは、住民登録や戸籍の担当部署での話ですが、他の部署でも、法制度と関係ない仕事はありません。


なぜなら、公務員の仕事である「行政」というものは、「政」を「行」う、すなわち、政治家(選挙で選ばれた議員)が議会(国会や地方議会)で決めた法律や条例に従って、それを実際に実行するものだからです。


自分がしている仕事は必ず何らかの法律や政令、省令、あるいは条例、規則、要綱に定まったものであり、そこで決められているとおりに実行しなければならないものです。


ですから、自分の仕事に関して定めてあるこれらの法令を理解していることはもちろん必要ですし、また新しい事業を起こすなんて場合は、自分でその事業に関する条例や規則、要綱を作るということも必要になってきます。


また、手続や相談に来る市民は、市役所の職員なら当然に、代理や後見人、相続などといった民法の基本的な概念は分かっている、と思って話してきます。そこで「えっと・・・」とまごついていると、「あら、市役所の方がこんなことも知らないの?」とバカにされます。


みなさんが学習している法律系(特に民法)のテキストは、試験後も捨てないことをおすすめします。

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2012.11.14 Wednesday 21:39

お役所仕事を貫かない

市役所論文・面接試験対策
お役所仕事を貫かない


前回ブログ「お役所仕事を貫くvol.2」(http://blog.siyakusyo.net/?eid=34)のつづきになります。


神奈川県逗子市で起こったストーカー事件について、被害者の個人情報は、警察や探偵、そしてネット掲示板により加害者(被疑者)の知るところとなったようです。


探偵やネット掲示板などの「おかげ」で、警察が被害者の氏名や住所の一部を読み上げた、という「不祥事」感はだいぶ薄まってきたようです。


警察に言わせれば、ぜんぜん不祥事なんかではなく、法令に則った正規の手続きだった、ということでしょう。そこんところが「お役所仕事」です。


ストーカー加害者に被害者の氏名・住所に関する情報を読み上げる。これが、担当警察官がうっかりいつものやり方でやってしまったのか、それとも「ストーカー加害者だが、法令に従って通常の手続をしないわけにはいかない」という職務上の責任感から、あえて読み上げに踏み切ったのか。


これは、どちらも「すべきでない」お役所仕事だと思います。


まず、「ついうっかり」。私自身を含め誰しも「うっかり」はあるので、そこを否定するつもりはありませんが、「ストーカー」という事案だということに対する想像力やそこから生まれる慎重さが足りないと言わざるを得ません。人ひとりの命にかかわることです。


また、うっかりしていたわけではなく、わかっていたけどあえて、通常通りの手続きを踏んだという場合。こういうジレンマは、命にかかわるほどではない市役所の日常業務でも、よくあるジレンマです。私自身は、こうしたジレンマを抱えたときの解決法として、


1 どちらが全体のメリットが大きいか
2 法令どおりの手続をとらずに済む代替策はないか
3 法令どおりの手続をとらなかったことによる責めを負ったときに、理由が成り立つか


といったことを判断基準にしています。


例えば、前回の「恩人・友人の住所を知りたい」という問い合わせに関しては、ほぼ間違いなくウソ偽りではなく、教えてあげた方がその人に喜ばれ役に立つ、という点で全体のメリットに貢献するようにも思えますが、しかし所詮自分の思い込む「ほぼ」であり、ウソ偽りでない客観的証明がない(もしウソ偽りだった場合に、被害者からどうしてウソ偽りでないと判断したかその証拠を求められたときに、提示できない)し、第一、当の「恩人・友人」にしてみれば、自分の住所をその人に知られたくないかもしれません。そういった判断から、絶対に断ります。お役所仕事を貫きます。


しかし、今回のストーカー事案の場合はどうか。警察の読み上げが直接の原因で命が奪われたわけではないかもしれませんが、そんな重大なリスクがあるのにそれを承知であくまでお役所仕事を貫くのか?そもそも、そのリスクの重大さに気づいていなかったは論外として、わかっていてあえて所定の手続きを貫くぐらいなら、それをせずに責めを負っても構わないから、お役所仕事を貫かない、という勇気をもちたいものです。もちろん、勇気だけではなく、関連法令に熟知していることが、バックグラウンドとして必要になります。前提としても知識がしっかりしていれば、判断できる勇気もおのずと湧いてくると思います。


(応用問題−論文・面接)
==========
市役所職員に求められる「プロの仕事」について
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==========
意見が対立したとき、あなたはどう解決しますか?
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2012.11.13 Tuesday 21:58

お役所仕事を貫くvol.2

お役所仕事を貫くvol.2


以前にも「お役所仕事を貫く」(http://blog.siyakusyo.net/?eid=9)ことの必要性を訴えています。


今回も、ココロをオニにしてお役所仕事に徹する必要があるということを訴えます。


前回ブログ「たかが住民票、されど命にかかわる仕事」(http://blog.siyakusyo.net/?eid=33)のつづきになります。


神奈川県逗子市で起こったストーカー事件について、被害者の個人情報は、警察や探偵、そしてネット掲示板により加害者(被疑者)の知るところとなったようです。


報道によると、加害者は「以前お世話になった人と連絡とりたい」などと偽り、被害者の住所に関する情報を得ようとしていたということです。


市役所で住民票を担当する市民課なんかにも、こうした問い合わせの電話が時々あります。「以前お世話になった人と連絡とりたい」とか「しばらく会っていない友人に電話したが通じないので、住所を教えてほしい」、はては「息子の下宿先に荷物を送ったが、宅配業者から宛先不明と言われた。正しい住所を教えてほしい」などなど・・・。


どれもお断りします。


案の定、「どうしてそんな冷たいことを」とか「これだからお役所は融通が効かない」、はては「息子を思う親の気持ちがわからないのか!血も涙もない!ああ血圧が・・・」などと脅されたりします。


でもここは、決して揺るがず「お役所仕事」を貫くところです。おそらく間違いなく、こうした人たちなウソ偽りで住所を探り出そうとしているのではなく、本当に恩人や友人、息子と連絡が取りたいのでしょう。でも、「この人は怪しいから」「このケースは怪しくないから」なんて思い込みで判断できませんし、どんな場合も「断る」ところに価値がある、という仕事です。


ただし、ただ単に「きまりですから」と断るのではなく、きちんとお役所仕事に徹しなければならない理由、必要性を常に考えて仕事する必要があります。

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2012.11.09 Friday 21:49

たかが住民票、されど命にかかわる仕事

たかが住民票、されど命にかかわる仕事


神奈川県逗子市で、ストーカーによるいたましい事件が起きました。


もっとも、ストーカー規制法対象外ということで、「ストーカー」という言い方は法律上正しくないのでしょう。


ところで、なぜ、犯人は被害者宅の住所を知り得たのか?報道によると、以前警察が逮捕状を読み上げる際に、かなりの「ヒント」を言ってしまった、ということのようです。


報道では、被害者の女性は「住所を隠していた」と言っていましたが、この「隠していた」というのは、逗子市役所の住民票の係に、所定の手続きをして、住民票の発行制限(本人以外に被害者の住民票を交付しないこと)の措置をしてもらっていたことを指していると思われます。現在では全国どこの市町村でも、住民票に関して、同様の発行制限措置の手続があります。


今回の事件では、現在の段階で報道が伝えるところによると、市役所から漏れたのではないようですが、以前に別の市役所で、市役所から被害者の住所に関する情報が漏れた、という事例がありました。


住民票の担当窓口で、この発行制限措置の申出を受けながら、何らかの手違いで、加害者側に住民票を出してしまう。万に一つも起きえないでしょうが、しかし万に一つでも、何らかのミスで漏れてしまったとしたら、命にかかわる「致命的」なミスになります。ですから、万に一つもあってはならないものです。


住民票の仕事は、ただ多くの来庁者に親切にスピーディーに住民票を大量生産していればよいのではなく、こうした、命にかかわる重大な責任を負った仕事でもあります。 

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